論 考

基礎的対策の重要性

 静かなマスク会食のお願いが登場した。思うに、わざわざ感染を求めて行動する人はいないし、各個人の慎重な生活努力には限界がある。

 人々に呼びかけるのは当然であるし、大切であるが、政策当局者が第一におこなうべきは、政策が感染拡大防止に整合的かどうかである。

 ここまで来て、専門家や医師が警鐘乱打の発言をしているにもかかわらず、GoToキャンペーンについては見直しをしないという発言が続く。「まだその時ではない」というわけだが、ようやく重たい腰を上げた時には「もうその時ではない」という事態になっていることを危惧する。

 見えない相手に対策するのだから、容易でないのは重々理解する。しかし、それだからこそ慎重に慎重を重ねるという見識が大切だ。

 基礎的な対策の積み重ねが第一である。3T、Testing(検査)・Tracking(感染者追跡)・Tracing(接触者追跡)が、初期段階で不十分だったことが今日の事態を招いたことを忘れてはならない。

 今日の社説をみると、朝日、読売、毎日、産経の各紙は、目下の舵取りを感染拡大防止に切れと主張している。