トランプ氏の作戦は単純である。大統領就任後、つねに展開されたことである。いわく、目の前の敵を叩く。腹の中では、相手を怒らせて、血圧が上がってプッツンということも狙っているだろう。
論理で相手を説得するような心構えは絶対に持ち合わせていない。支持者は、トランプ氏の強さだけに共鳴しているのであって、理屈に筋が通っているかどうかは気にしない。
有権者は大統領候補の言論戦を期待しているはずだが、トランプ氏は、勝てばいいのであって、相手を自分の土俵に引きずり込んで、乱闘寸前のようになれば最高、そうなれば、まちがいなく吾輩が勝つという計算である。
メディアは、「低次元の論戦」とか、「敗者は国民」などと表現する。これだと、アンフェアな手口で論戦を低次元に貶めたのはトランプ氏であるにもかかわらず、どっちもどっちだということになる。
これまた、メディアをよく知っているトランプ流である。道端で、突然犬に吠えられたようなもので、バイデン氏は犬を説得できないのが悔しいであろう。
紳士の装いをしていても、紳士でない人が少なくない。典型が、大統領のポストに座っている不思議を痛感しますねえ。もう少しの辛抱であってほしい。