日々道楽

米国連邦最高裁判事の人事

 わが国では、最高裁判所の裁判官について、衆議院議員選挙に合わせて国民審査の投票がある。有効投票の過半数が✕を記せば罷免されるが、ほとんどの人々は関心がない。アメリカは全く違う。

 アメリカでは、先日亡くなった連邦最高裁ギンズバーグ判事の後任に、トランプ氏がバレット氏を指名した。大統領は上院の意見を聞いた上で最終的に決定するが、上院は共和党が僅差ながら多数派だから、造反がない限りこの人事が決まる。彼女が就任すれば、最高裁判事は保守派6人対リベラル派3人の割合になる。本人が辞めると言わないかぎり、最高裁判事は終身である。

 連邦裁判所は連邦創立当時、「各州の力が強く、連邦の力が弱い」関係において、連邦の政治道徳的力を梃入れする狙いがあった。つまり、最高裁は誰よりも憲法に忠実な判断をするという約束だ。最高裁は、判決を法律よりも憲法に基づいてなす権利が認められている。憲法違反に見えるような法律は拒絶する。日本の最高裁が、憲法判断をしないのとは根本的に異なっている。

 最高裁の力は、連邦においては第1位といっても過言ではない。無茶苦茶をやってきたトランプ氏が、自分(大統領)をサポートしてくれる判事を求めている。連邦創立期には、トランプ的人物が大統領になることは想定しなかったであろう。

 ところで、保守派6人となっても、過去の事例から、「問題によっては」、最大2人はトランプ氏を支持しないケースが考えられる。保守派といえども、デモクラシーを大切にするからだ。トランプ氏は判事の人事に必死である。賛成派・反対派が判事人事を巡っても熱くなる。これまた、トランプ流大統領選挙の1つである。