論 考

基本としての3T対策

 昨日、フランスでは1日のコロナ感染者が16,096人で、過去最高を記録して緊張が走った。感染者数は497,237人・死亡は3,151人だ。

 一方、3月前後に医療崩壊して最悪だったイタリアは、1日の感染者数が1,500人前後、感染者数308,069人・死亡35,758人である。当初の大混乱から見事な再建である。

 ノートを見ると、新聞の感染者数世界ワースト10からイタリアが消えたのは、7月6日で、とっくに医療崩壊を克服して、この夏は海水浴にも人出が多く、大方は普段の生活を取り戻している。

 欧州では、イタリアはコロナ対策先進国と呼ばれるようになった。

 何をやったのか? 大方針は、人命第一・経済より生命である。これはいまも変わらない。感染者が増加すれば政府は臨機応変に営業休業や外出制限できる体制を整えている。

 オフィスでは、マスク着用・体温測定・対人距離確保、無料でPCR検査をする。オフィスや店舗で対策不十分で感染が発生すれば、従業員は会社に対して損害賠償請求ができる。在宅勤務にも労災を適用するなどが目を引く。

 やはり対策のポイントは検査とモニタリングである。いわゆる3Tである。Testing(検査)・Tracking(感染追跡)・Tracing(接触者追跡)が、コロナ対策の要である。

 菅内閣発足に当たって、自民党と公明党の9項目与党合意では「国民の命と健康を守る」ためとして、コロナ対策を2項目にわたって記載しているが、こちらは命と経済の二面作戦である。経済も命とりになるから、表現を人命第一にせよというつもりはないが、どうも、わがほうは、3T対策が不十分な気がしてならない。

 感染者数を分析するだけではなく、3T対策をこのように推進していますというレポートがほしい。基本が大事だ。