論 考

しまりがない野党合併の動き

 立憲民主党と国民民主党の合併問題が捗らない。今度は、国民が分党して、合併組とそうでない組になるという話らしい。

 2018年衆議院選挙前に、民主党代表前原氏が突然、立ち上がったばかりの希望の党へ全員の公認申請を求めるという奇策を打ち出した。希望の党側が選別する方針を打ち出し、てんやわんやになった。

 いわば仲間入りさせてもらえなかった人々の受け皿として、枝野氏らが立ち上げた立憲民主党が誕生し、大善戦し、野党第一党になった。一方の浮動票を期待した希望の党はガタガタという事態になった。なんとか生き残った希望の党と旧民主党のメンバーが国民民主党として今日に至っている。

 いまさら仕方がないが、党議もなく、前原時代に希望の党に参加するという方針を提起して、いわば空中分解したことについて、当時のメンバーは、いったいどのような総括をしたのか。劣勢を挽回して選挙で生き残ることが、なにがなんでも最大価値というような理屈に支配されているから、天下に恥をさらしたのではなかったのか。

 目下のずるずるべったり、しまりのない事態は、政治家としての矜持がまるで感じられない。週刊RO通信no.1364で「熱い気迫なくして新党の力は出ない」という主張をしたが、このままではなんのために合併するのか、その意義すら見えてこない。こんな調子では、人々が共感してくれるわけがない。