論 考

疲労困憊か

 本日の読売社説は、「新型コロナ対策 感染抑止へ国は責務を果たせ」と主張する。昔の野球ファンのなかには、ごひいきチームがドジして敗けると、空き缶など投げるのがいた。社説の中身は格別掘り下げた指摘がないのでそこまで過激ではないが、タイトルだけみれば、ひいきしてもらっているチームとしては、性根の入れ替えどころである。

 感染症対策の分科会が昨日、4段階評価6指標なるものを公表した。政府が総合的に判断して、状況に応じて積極的かつ機動的にやるべしというコメントつきである。対して、官邸は「あくまで参考」という態度らしい。県知事などには、「科学的知見なのか、思い付きか」という不満も出ている。

 非常事態宣言を出した際には、医療体制崩壊の危惧を全面に押し出した。目下は病床にまだ余裕があるし、軽症者が多いという辺りを政府は都合よく読んでいるとみられる。

 しかし、病院で活動している方々はすでにほとんどグロッキーで、TKO前という感じがする。病床の数を今後増やしても、ベッドが治療するわけではない。人手が必要になる。ただちに増員できない。できるのであれば、いま、病院関係者が疲労困憊するわけがない。つまり、医療危機はすでに起こっている。

 ひょっとして、対策を考案する政府与党の諸君は、長期政権で疲労困憊しているのではないのかしらん。