日々道楽

日米はダメ政治家の見本であるか

 1864年7~8月、アメリカは内乱の真っただ中だった。北軍総帥グラント将軍と南軍リー将軍の戦闘は互角、両軍共に莫大な戦死者を出していた。奴隷解放政策によって連邦軍兵士の命が失われるという批判が高まった。

 大統領リンカーンは、南部独立と奴隷存続を認めないかぎり南北講和はない。ならば初心貫徹するしかない。大きな危惧の中、6月の共和党大会はリンカーンを再度大統領候補に指名した。

 9月には、グラントに代わったシャーマン将軍がアトランタを占領し、北軍勝利へ前進した。

 11月10日、大統領選挙でリンカーンは圧倒的勝利で再選を果たした。その夜、祝賀に集まった党員を前にして、リンカーンは「人民の政治は、一大内乱の最中にも、国家的選挙をおこなえることを証明したのであります」とスピーチした。

 それから156年後の現職共和党大統領は、自分の再選が危ぶまれるという決定的に矮小な理由で、姑息にも選挙延期を口にしている。到底デモクラシー大国の大統領の玉ではない。

 日本では、誰もがコロナウイルス感染拡大を危惧していて、現状がどうなっているのか、いかに対策するべきかについて、議会での論議を求めているのに、圧倒的多数を誇る与党も、安倍氏もへっぴり腰で、直ちに議会を開くことすらできない。これまた、到底デモクラシーの政党・政治家とは言えない。

 元台湾総統の李登輝氏が亡くなった。わが新聞社説は、いずれも民主主義を築き上げた人物として手放しの記事を書いた。返すペン先で、「国会を直ちに開け」と主張を展開せよ。