論 考

末期的日米首脳

 21日に、トランプ氏が記者会見を開いた。4月の記者会見でコロナ対策に家庭用消毒液を注射すればなどと発言し、さすがに応援団も唖然とした。以来記者会見がなかったので4か月ぶりだ。

 従来の傲慢さが消えて、まじめな態度を演出。悪評のコロナ対策については、「もっと悪化するだろう」と、ようやく現状を認識したらしい。

 もちろん本音は他にある。バイデン氏に大きく水を空けられているので、巻き返しを図らねばならない。巻き返し再開の合図の記者会見だ。では、次なる手は何か?

 今朝の報道で、21日に、アメリカ政府がテキサス州のヒューストンにある中国総領事館の閉鎖と中国人の退去要求を出していたことがわかった。「知的財産と個人情報を守る」のが理由らしいが、よくわからない。

 なるほど、次なる選挙対策は中国叩きに活路を見出したいらしい。いま、米国では、対中国姿勢が軟弱だと批判されると不利なので、強硬論を吐く政治家ばかりである。これは超党派である。冷静な意見や反論をすれば「非国民」扱いになりかねない。

 ボルトン暴露本では、トランプ氏が習近平氏に大統領選への協力を依頼した話も出ている。まあ、非常にわかりやすい戦術であるが、中国は日本とは異なって、恫喝に強い。ナショナリズムも、米国人のそれ以上に強い。

 トランプ的アメリカは、内外に揺れ続ける。わが方は、ゴマすり路線依存ではだめだ。昨夜安倍氏は、芸能人・プロスポーツ人・画家に、政治評論家(アンチ安倍)という奇妙な取り合わせの会食をしたが、少しはまともな話をしたのだろうか。