古代ギリシャの最盛期は、アテナイの政治家ペリクレス(前490頃~前429)が前460年前後に民主派のリーダーとして政権を掌握し、民主政治を展開したときである。さらに、土木、建築、学芸などさまざまな分野で進歩があったという。ペリクレス時代と呼ばれている。
当時のギリシャ人は、政治家が大演説をぶつと信用しなかった。巧妙な語り口や美辞麗句には極めて懐疑的であった。だから政治家もまた、いかにして理性に訴えるかに心を配った。
人々の政治的関心は高かったようだ。古代ギリシャの三大詩人の1人であるアイスキュロス(前525~前456)が、「無政府の生活も、専制政治の生活も讃えてはならない」と語った。含蓄がある。
人々においては、事実を支配する法則を発見するために努力する気風が強かった。大昔の遠い地中海方面の歴史ではあるが、いまも、ギリシャが西欧文化・文明を生み出したということが定説である。
コロナウイルス対策が円滑に進まない。一気呵成になんとかせよというような野次を飛ばす気はまったくないが、報道によれば、対策のための知見らしきものがまるで見当たらない。権力という高性能バイクを運転する能力を身に着けたライダーが存在するのか、気がかりである。
ペリクレスの有名な言葉――われわれは信ずる。討議は行為を損なわない。禍は初めに蒙を啓かずして仕事を始めることだ――