論 考

日本は、惰性的外交を改めるべきだ

7日、トランプ氏が国連にWHOの脱退を正式に通告した。脱退は、来年の7月6日になる。今年11月の大統領選挙でトランプ氏が敗退すれば、バイデン氏は脱退を取り消すだろうが、とにかくブレーキがかからない。

 脱退理由は、WHOのコロナウイルスの取り組みがけしからんという。アメリカ国内での感染拡大の責任はトランプ氏の無責任、無定見、サボタージュにあり、次から次へと放言・暴言を重ねている。追い詰められた焦りから八つ当たりしているとしか見えない。

 コロナウイルスは、いままではヒトヒト感染だけとしていたが、エアロゾル感染の可能性を主張する学者たちの論文が出て、WHOはそれについての検証・精査に着手する。

 世界の感染は依然として収束の気配がない。政治家の任務は、各国が協力する体制を整えることにあるが、トランプ氏にそのようなリーダーシップを期待することは無理だ。

 世界の秩序は大きな力を持つ国が主導するのは当然という第一次世界大戦以来の外交の常識が、いまや大きな力を持つ国自身によって破壊されている。日本外交はアメリカの属国もどきでやってきたが、もう、目を覚まさねばならない。果たして、いまの政治家にその胆力ありや?