論 考

壊れているトランプ氏の教訓

 アメリカのコロナ感染者は288万8,586人、亡くなった人は12万9,947人になった。ところがトランプ氏が「99%の症例は完全に無害」だと演説した。常軌を逸しているのであるが、本人は得意でやっているのだから始末に負えない。すでに確信犯である。

 さらにCNNが食品医薬局(FDA)長官のハーン氏のインタビューでそれを質すと、ハーン氏はトランプ発言を肯定しなかったが、明確に間違っているとも答えなかった。これでは、政府機関がまともに動いていない。それでも、トランプ氏のコロナ対策を支持している米国民は26%いるのだそうだ。

 トランプ氏が再選戦略を基軸として発言・行動してるいるのは誰にもわかっている。しかし、いかに支持者であろうとも、科学的知見、それも人々の命にかかわる問題でのデタラメな発言を許容するのでは社会は正常に動かない。

 民主主義は代表を選ぶ=選挙が極めて大事な位置を占めている。自分が気に入っている人物が当選しさえすればよろしいというようなことになれば、選挙自体がデモクラシー破壊の原動力になる。

 わが身を顧みる。麻生氏のごとく、他国は民度が低いなどとお気軽発言していられないのがまことに剣呑である。