論 考

結局は化かされた?

 都知事選直前には、小池氏が、予想されている主要な顔ぶれのいずれに対してもはるかに圧倒しているという調査があった。

 都知事選の結果を見ると、小池氏対他の上位3人(合計)の得票割合はほぼ2対1になっている。

 3人をそれぞれ見る。宇都宮氏は以前の選挙では98万票獲得しているし、立民・共産党は135万票程度持っているので、84万票で終わったのは、党組織の力が発揮できなかった。

 山本氏は、それを見込んで自他共に認める浮動票獲得に賭けたが、演説を直接聞いた人々にはインパクトがあったとしても、前回参議院選挙のようなブームを形成できなかった。

 4位の小野氏はまったく予想外の出馬で知名度などまったくないわけであるが、得票率9.9%で、供託金没収ではあるけれども大きく善戦した。

 コロナ騒動下の選挙で、ネット選挙といえども、決定的に露出度の多い現職だけが選挙活動しているのと同じであるから、今回の結果は、まあ、こんなものであろう。活動された皆さまはご苦労さまでした。

 小池氏の1期4年は公約違反である。選挙がうまいとしても仕事ができたから再選されたのではない。小池氏が国政トップを狙うという推測記事がしばしば登場するが、政治的力量は怪しい。演技力は、もちろん、現在の国政トップなどの及ぶところではない。