論 考

プーチン氏は何をしたいのか

 2024年まで任期があるプーチン大統領に、さらに2036年まで大統領就任のチャンスを与える憲法改正国民投票が70%超で成立するらしい。改憲は、最低年金保障や同性婚禁止などもあるが、さらなる任期延長について少し感想を書く。

 もちろんプーチン氏が必ずさらに2期大統領をやることが決まったわけではない。国内世論が不動だとしても、先のことは何が起こるかわからない。

 それはともかく、プーチン氏はいったい何をやりたいのだろうか。かつてのソ連時代の栄光を取り戻したいとしても、無理だ。米中2大国の一角に食い込むのも無理だ。EUや、NATOに対しても、今以上にロシアが影響力を行使できる要素はない。

 たとえば、トランプ氏がEUやNATOを破壊! してくれると思っているのだろうか——まさか。トランプ氏が2選されても、いまより影響力を行使することはできない。外に対して発言力がある大統領を演出しても、実体はそうなっていない。要するに、長期政権は「消去法」によるものだ。

 唯一、偉大な大統領になる道がある。もっと本気で国民生活を向上させることだ。それが、規模を誇るよりもしっかりしたロシアを作る道筋である。