論 考

対北朝鮮--無為・無策・無責任

 北朝鮮の危機に備えるという筋書きで手配したイージスアショアの配備を停止した翌16日、北朝鮮が開城の南北共同連絡事務所を爆破した。

 自分の領土内のことだから、一種の自傷行為みたいでもある。金正恩氏はトランプ氏との交渉に大きな期待をかけていたが、薬石効なしで、不満が高まっている。韓国に対してクズだのなんだのと汚い言葉を使うのは、それだけ韓国に対して大きな期待を表明したのである。

 戦争は政治(外交)の1形態である。わが国が、本気で危機に備えるのであれば、いわば政治の手詰まりから発生する軍事的衝突が発生しないように政治的手立てをつねに用意しなければならない。

 以前、安倍氏は金正恩氏と直接会う決意を述べた。これは国内向け発言に過ぎず、それらしい動きのカケラすらうかがえない。北朝鮮の脅威からくる危機を本当に感得しているのであれば、対北朝鮮外交を進めるべきだ。

 対トランプべんちゃら外交だけやっておけば全てよしとはいかない。わが政府の対北朝鮮外交の3無、無為・無策・無責任を憂える。