日々道楽

自粛は目的ではない

 どうも自粛という表現が後ろ向きで、わたしは気に入らない。

 要するに、人同士の接触をできるだけ避ける。お互いの間隔を維持しようというのであって、接触を断つのではないし、外出の禁止でもない。

 誰に頼まれたのでもないのに、嫌がらせなどする人が出るのは、趣旨が十分に理解できていないのだろう。

 幕府時代には、ご近所同士を見張らせ、連帯責任を押し付けた。戦時中もそれが復活した。向こう三軒両隣といえば、仲良しみたいであるが、いやらしい監視社会を表現する言葉でもあったことを知っておきたい。

 これからは暑くなるし、自宅を一歩出れば帰宅までマスク着用というのは、気分もよろしくないだろう。混雑していない道路を歩くようなときは、柔軟に対処されたほうがよろしい。

 ポイントは外出禁止ではなく接触に注意する、対人間隔を維持することだ。長丁場である。自粛が目的ではない、自粛が目的化するから無意識のうちに外出禁止のような錯覚にとらわれる。このような気風が感染するのは、コロナよりももっと嫌な感じだ。