論 考

緩んでいるのは政治家と当局

 依然として検査体制は改善の動きが弱い。諸外国とは異なって、感染のデータが不正確である。このところ感染者数は低く推移しているが、安心できない。

 厚労相は、検査の目安を発熱37.5度以上が4日間から、軽い風邪症状が続けば検査することに変えた。検査数が少なかったのは、厚労省としては目安のつもりであったが現場が基準扱いとしたのであって、誤解されたと語ったが、このような口実が何の役に立つのか、依然としてわかってない。

 本庁の責任にあらずと言いたいようにしか見えないが、このようなお上無謬主義が相変わらずまかり通っているのでは、とても人々の信頼を得られない。

 韓国は平常状態をめざしていたが、感染者が多数発生したので今週の学校再開を延期した。

 ドイツも6日に一部緩和に踏み切った。目安は、1週間・10万人当たりの感染者数が50人以下で、実効再生産数1以下としているが、実効再生産数が増加傾向にあると見て警戒を強めている。

 ドイツではロックダウンに講義するデモが発生し、フランスでは治安が悪くなっているらしい。

 日本よりもはるかに進んだ対策を講じた各国での体験をみると、わが国においては、やはり検査体制や治療体制を地道に確実に整えてもらいたい。そして、つねに人々に対して情報の透明化を進めねばならない。

 感染者数が少ないために、緩んでいるのは政治家や当局であるように見えて仕方がない。「自粛」一本鎗では展望が開かない。