論 考

基礎的作業を堅実に

 8日に厚労省がようやくPCR検査の受診体制を前向きに転じた。2月17日に、受診目安を37.5度以上の発熱で4日間としていたものを、息苦しさ・強いだるさ・高熱であれば受診できるということになった。

 世界的に悪評の日本の検査体制がこれから本当にしっかりしたものになるかどうかは、まだ保証の限りではないが、匍匐前進的一歩前進というべきか。

 検査数が少なすぎるので、たとえば陽性率についても、果たして全体の傾向を示しているのかどうかがわからない。また、検査数も、陽性と診断された人が一定期間後に陰性になるかどうか測定するから、単純にPCR検査総数を分母にできない。いわば、今後を見通すための大事な指標が得られない。

 4月21日までの調査では、医療機関の防護具不足が依然として改善していない。サージカルマスク、N95マスクの不足を訴える割合が70%を超えている。個別の医療機関に自助努力せよというのでは無理である。

 当局には、基礎的な作業を堅実に実施してもらいたい。