論 考

感染源の研究が進む

 CNNによると、イギリスの大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが、世界のコロナウイルス感染死亡者7,600人以上を解析した結果、ウイルスの変異状況から昨年末に共通の発生起源があるとの仮説を発表した。この論文は感染遺伝学専門家の査読済みである。

 感染は多くても世界人口の10%だとみる。また、ウイルス遺伝子は変化しているが、感染力・毒性が悪いほうへ向かっているとはいえないという。

 いままでは、昨年末よりもっと早くから各地で感染が拡大していたという説があったが、この論文は、それを否定する内容で、コウモリ説というわけだ。

 たとえば、5日には、フランスのパリ北郊外のセーヌサンドニ県の病院で昨年12月2日~今年1月16日の凍結保存検体を検査した結果、中国渡航経験のない42歳男性が12月27日に感染していた。いままで、フランスの公式初感染は1月24日に武漢から帰った旅行者2人と発表されていた。

 これでいくと中国での初感染者は12月31日であるから、それ以前に中国とは別ルートの感染だということになる。

 いずれにしても、まだ最終的に確定したものではない。外国では、ウイルスがどこから来たかという研究が取り組まれている。