論 考

コロナ政治的利用は犯罪的パンデミック拡大行為

 ウイルス感染の根源を発見するのは、コロナ対策上の大局を押さえて、終局目標を決定する重大な作業である。しかし、トランプ氏のように、中国とWHOに全責任を押し付けるのは百害あって一利なしだ。

 いま、米国が武漢ウイルス研究所原因説を鼓吹しているが、指摘する内容自体が不明確なものばかりで、「怪しいから怪しい」と言っているに過ぎない。典型的なデマゴーグである。

 トランプ氏は、米国経済の落ち込みからくる不人気と、自身がコロナ対策を怠った失敗隠しを狙っているとしか見えない。

 しかし、それだけでは終わらない。全世界が協力して感染対策を成功させようとしているとき、国際協調に明確に背を向ける妨害行為であって、いわゆる天災に対する人災拡大の最たるものである。

 わが国においても、政治家が支持率ばかり気にしているように見える。この間にわかったのは、中枢政治家たちがコロナ感染拡大阻止や治療対策において、恐るべき無能ぶりを発揮している事実である。

 1月16日、国内で初感染者が発生してから3か月以上過ぎた。その間、おこなったのは、自粛を厳しく推進しただけで、検査体制の拡充や、医療体制を強化するという核心中の核心については、ほとんど前進していない。

 いったいいかなる知見によって対策しているのか。この際、経過と現状を国民の前に提出してもらいたい。メディアも然りだ。日々の動静を報道するだけでなく、いままでの取材を整理して、疑問点・問題点を記事にしてもらいたい。