論 考

修飾語抜きで事実を

 感染数が世界の趨勢からして少なすぎるではないか。素人でも考える。東京新聞(4/3)に、シカゴ大学・山口一男教授が「日本の統計は暗数が多すぎて各国と比較できない」、つまり検査数が少ないとコメントしている。

 暗数(Dark Number)は、実際の数値と統計結果との誤差である。統計自体が正しくても、標本がきちんと採られていなければ正しい統計にならない。

 安倍氏は国会で、「重症者への医療に重点を置く体制の整備など、国民の健康と命を守るために必要な対策をちゅうちょなく実施していく」と答弁した。一方ではベッド数、医療人員不足で、医療が壊れると言っているのだから、ちゅうちょなく進行していないのである。例によって、言葉と中身が一致しない。

 新聞報道の大きな活字に対して、対策の中身がまったく見えてこない。いまだ、国を挙げてのウイルス対策体制ができていないみたいである。政治家も新聞も、修飾語を使わず、中身をズバリ語ってもらいたい。