論 考

さらなる公開性を求める

 WHOが3月30日、感染者や医療看護者以外の市民がマスクを着用するのを推奨しないとコメントした。くしゃみなどを空中に飛ばさなければいいのだから、その通りである。

 わが業界の発表によれば、トイレットペーパーは今後1週間程度で品薄解消、マスクの品薄解消は5~6月になるそうだ。

 密閉・密接・密集の3密が問題で自粛する業界は大変だ。お客が来て、たまたま自分のお店から感染者が出ると、さらに大変だから自粛するのであるが、商売ができないのはウイルスよりも怖いというのが偽りのない気持ちである。

 先が見えないのがいちばん困る。感染事情の研究からわかったことを時々刻々公表することはできないものか。そのような姿勢が打ち出されれば、もっと社会全体の雰囲気に活力が出るにちがいない。そこで3密に、もう1つ密を加えてはいかがか。密談(的にしない)を追加する。

 政治的リーダーたる者は、自身が絶対的価値を代表してはいない。まして、ウイルス対策などズブの素人でしかない。さらに、現実の支配行為についてすべからく公開するのが正しい。自分の言葉で大衆を動かそうなどと気張ってよろしい政治家は、残念ながら当国にはいないというのが、わたしの実感である。