論 考

米民主党大統領候補選びは二強対決へ

 サンダース氏の優勢が大方の予想だったが、バイデン氏が予想外の復活を果たした。「史上最大のカムバック」という表現が予想を覆したことを物語る。ずっと暗い表情だったバイデン氏の満面の笑顔が印象的だ。

 民主党中道派のクロブシャー氏・オルーク氏・プティジェッジ氏が降板してバイデン氏支持に回ったのは大きかった。

 サンダース氏は、確実と見られたミネソタ州・マサチューセッツ州、テキサス州でバイデン氏に後れを取り、地元ヴァーモント州で50%しか取れなかったのは少なからぬ衝撃であろう。

 目下代議員獲得数は、バイデン氏が435人、サンダース氏が381人で、仮に26人のウォーレン氏が全面的にサンダース支持に回ったとすればバイデン氏435人に対してサンダース氏407人であるが、ウォーレン氏の陣営はバイデン氏支持に回る可能性もある。

 黒人票が鍵だと見ていたが、バイデン氏は60%を獲得して、高齢者票も圧倒的な強みを見せた。サンダース氏は中南米系、若者に強い。若者の投票率がもうひとつ伸びていない。

 バイデン氏が一挙に勢いをつけた。一方、サンダース氏は2月だけで日本円にして50億円の支援資金を獲得していて、こちらも勢いが落ちたのではない。

 スーパー・チューズデイの総括としては、バイデン・サンダースの二強対決の構図になった。両者の政策の違いは鮮明だが、いずれにしても、人々の関心が打倒トランプにある。次は3月10日、3月17日が大きな山場だ。