論 考

事態の全体的展望を説明すべきだ

 首相の顔が見えない、厚労省に丸投げしているというネット批判が出ていたが、首相が顔を出して、小中高の一斉休校を要請した。

 国内で、爆発的感染は出ていないが、見通しが立たない。一斉休校は、対策として1つのリスク回避であって、まちがいない策であるが、それぞれの家庭へ自衛せよとしたのと同じでもあり、さまざまな家族事情があることを考えると、今度は地方自治体へ丸投げしたという批判が出るかもしれない。

 依然として、感染経路の特定ができておらず、検査体制の不行き届きの苦情も出ている。

 思い切った策を打ち出したという印象だけではなく、対策の全体像がどのようになっていて、このような予想を立てているという、政府当局の分析・洞察・展望を国民に対して説明してもらいたい。

 昔のパンデミックの記録を見ても、情報断絶が事態悪化に拍車をかけたことがわかる。国民が慌てふためいていないのは、何よりも素晴らしいことであるが、当局のきちんとした見解表明がないままに、もし、感染が増大することになれば、その場合は簡単に収拾がつかなくなる心配をする。