論 考

勇気ある行動

 ウイルス相手の見えない戦いだから、感染拡大が収まるまで、慎重に状況を見るのみだ。自粛ムードが広がっているが、基本的には淡々と日常の暮らしを維持するしかなかろう。

 こんな場合に痛感するのは、信頼できる情報である。たとえば情報の発信をする当局や、政治家の言葉に対する信頼感があるかどうか。

 公文書改ざん問題や、話すべきことを話さず、語らないことをもって疑惑を膨らませる政治家を見て、ウイルス対策と重ね合わせると、かなり厳しい事情である。

 先日の岩田先生の行動を、フライングだと批判する向きがあるが、政治家や官僚が信頼されていないからだ。勇気ある行動であった。

 民主主義というものの価値は、1人ひとりが持ち場できちんとした仕事をこなすことから生まれてくることを改めて痛感している。