論 考

本日も漂った

 今日はシュレーゲル(1819~1857)の『西洋哲学史』(1848)を最後まで読んだ。シュレーゲルはヘーゲル(1770~1831)の哲学を継承した哲学者の1人である。38歳で亡くなった。『西洋哲学史』を公刊したとき27歳である。

 あまりやさしい本ではない。まあ、当方に哲学の素養がないから仕方がない。それはともかく、27歳といえば組合支部で委員長に就任した年であるが、精神的にはまさに寄る辺なきふわふわとした日々を送っていて、しかも、プランクトンのように漂っているということ自体を考えもしなかった。

 勉強が嫌いではなかったけれど、「何のために勉強するのか」ということを考えたことがなかった。いわば、時々の必要に応じて、手あたり次第にぶつかってきただけで、なんともはや、乱雑な勉強をしてきたものだ。

 気がつけば夕刻になっていた。勉強した充実感と、あまりに空っぽのオツムを考えて、茫洋たる大海を漂っている心地がする。