論 考

安倍氏こそ中東へ行くべし

 1931年に満州事変が発生した。1937年は日支事変が発生した。日本国内では事変と呼んだが、その正体は日本が仕掛けた戦争であって、宣戦布告なき戦争であった。

 米国とイランの紛争なるものも間違いなく戦争である。日本では昔、城の水攻め・兵糧攻めという戦術があった。米国が、イランに対して取っているのはこれである。武力による戦闘が盛んでなくても、攻められている側にすれば、その認識はすでに完全な戦争である。

 米国がソレイマニ司令官を殺害したのは、戦争でなければ「テロ」である。イランの国会が米国国防総省を「テロ組織」と指定したのは正しい。

 トランプ氏は、イランのイラク米軍基地攻撃の報復について言及しなかったが、慎重になったのはもちろん悪くないけれども、司令官殺害が熟慮したものでなく軽率な行動だったということを語っているみたいでもある。

 さて、地球儀を俯瞰して積極的平和主義を掲げている安倍氏は、予定していた11日からの中東歴訪をどうするか検討するらしい。一方、海自派遣は予定通りだという。これまた、やることがあべこべだ。海自派遣を見合わせて、安倍氏が中東訪問して、じっくり意見交換するべきである。