論 考

政府と与党のお友だち関係=放漫

 20日閣議決定された2020年度予算案は、政府与党が完全に放漫体質に陥っていることを如実に示している。

 先立つ19日の政府与党政策懇談会で、安倍氏は「経済再生と財政健全化を両立する予算だ」と語ったそうだ。なにをかいわんや。

 前提のGDP成長率1.4%もまったく慎重さを欠いている。自民党内部が経済対策予算を大幅に積めと迫り、官邸またそれに呼応してアクセルを踏み込んだ。いったい、消費税を何のために引き上げたのか。

 さすがに新聞各紙の論調は厳しい。読売社説も「100兆円は持続可能なのか」、「財政規律をいかに引き締め直すかが課題だ」と書かざるを得ない。

 この内閣は持続可能性など念頭にない。自民党側にしてみれば、なんでも安倍氏を守ってきたのだから、大盤振る舞いして当然だと迫る。安倍氏には、それを抑制する力がない。安定政権と見られているが、実は、政府と与党はお友だちであるから、持ちつ持たれつ。正論なんてものが登場する隙間がない。

 震災対応は10年で32兆円のところ、6千億円程度が余った。21年度からの復興予算は極端な出費はない。ところが、「復興特別所得税」は、2037年度末まで取り続ける構えだ。すでに、復興と関係ない分野に投入されているという批判も出ている。法人の復興特別所得税は2年間で終了した。これも目立たないが大きな問題だ。