経済人や学者で構成する「日本アカデミア」で、フランスのジャック・アタリ氏が「日本は、公正な仲介者として米中両国の橋渡しをやるべし」と主張した。この発言は大きな意味を持っている。
キッコーマン名誉会長・茂木友三郎氏は「日本は米国と一緒に中国に対して市場経済と民主主義のよいところを説得するのがよい」と発言したらしい。
茂木氏が財界の総意なのかどうかは知らないが、アタリ氏の投げたボールを大きく空振りした。打つ気がないのだろうか。
せっかく懇切な提言をしてくれたのだから、アカデミアを名乗る会合でもあるし、歴史的視点を踏まえて応じてほしい。茂木氏の発言では、現状となんら変わらない、変えようと思わないことを披瀝しただけだ。
政治家も性根が入らない、財界もまた、当面の自分のことだけ考えていて、本気が感じられない。米国追従の思索と行動を繰り返す限り、日本の外交プレゼンスは限りなくゼロに等しい。