企業は、新卒に「即戦力」たることを求める。
学校は、なによりも「経営」効率性を求める。
企業も学校も「人を育てる」という、いちばん大事な目標を無視している。
昔は、資源なく狭い国土に、人がひしめきあう状態にあって、人こそがわが国の最大の力(人的資源という言葉はあまり好きではないけれど)であるとして、「人を育てよう」という社会的気風があったはずだ。
いまは、少子化で、将来人口が減少すると大騒動しているにもかかわらず、少ない人を大切に育てようという気風が萎えている。
加計孝太郎なる教育の舞台で事業をする人の2度目の記者会見があったが、こちらは、コンプライアンスもガバナンスもまるで理解していない。
門前の小僧習わぬ経を読む、単なるお体裁に過ぎない。
政治(をする人)が教育をダメにしたのか、教育(をする人)が政治をダメにしたのか。
愛国心を形だけ構えても、役に立たぬどころか、健全な社会を崩していく非愛国的事態が進むことを、わたしは心から憂える。