ゼレンスキー氏が、ロシアのウクライナ侵攻の2月以来、初めての国外へ、アメリカを訪問した。
バイデン氏はパトリオット供与を含む18億ドルの支援を表明した。
バイデン氏とゼレンスキー氏の会談はとても親密であっただろう。
米下院は共和党が多数派になった。共和党にはウクライナ支援に懐疑的な見方がある。ゼレンスキー氏訪米はバイデン氏の要請によるものだ。ゼレンスキー氏の議会演説で挙国一致を推進したいものと思われる。
パトリオットを供与するのは、以前からウクライナが要請していたから、議会演説でゼレンスキー氏が議員諸氏を突き動かせば、大成功である。
ロシアは、軍隊を115万人に増強したばかりだが、さらに30%超拡大して150万人にすると公表した。
目下の情勢は、停戦や和平の動きが見られない。
21日、統一ロシア党首のメドヴェージェフ氏が北京を訪問して、プーチン親書を習近平氏に手交した。中身はわからないが、中国はロシアの戦争に懐疑的である。停戦、和平をプログラムに乗せるには、中国に期待するところが大きい。
パトリオットをウクライナ軍が駆使できるようになるには、数か月必要とされる。そこまで行くと、さらに戦争は拡大の一途である。
米軍は、ウクライナ・ロシアがそれぞれ10万人戦死、民間人は4万人死亡と推定している。国外脱出した人は780万人、これに国内の避難者が加わる。
戦争推進の華々しい動きは、軍事力によって創出される平和が、墓場の静寂だという比喩が着々近づく。
ゼレンスキー氏訪米の本当の成果は、停戦・和平への足取りになることだ。