論 考

ウクライナ情勢動くか

 ウクライナのザポリージャ原発に、IAEA(国際原子力機関)をウクライナ経由で派遣することに、マクロン・プーチン電話会談で合意したらしい。少なくとも前進の一歩だ。

 ゼレンスキー・グテーレス・エルドアン会談で、エルドアン氏は、「ロシアかなんらかの類の和平の準備ができている」と語った。ゼレンスキー氏は、「驚きだ、まずロシアか撤退するべきだ」と応じたようだが、これも前向きの変化を示唆する一歩かもしれない。

 国連参加国のざっと半分、とくに第三世界に属する国々は、ロシアもロシアだが、アメリカを軸とする西側も西側だという冷静な視点を確保している。超大国の代理戦争はご免だという。アメリカが、ロシアを倒したい、中ロ同盟を倒したい、中国封じ込めに動いていることには明確な嫌悪感をもっている。

 とくに、西側が武器を供与して戦争を停止するための努力をまったくやらないではないかと厳しく批判している。

 民主主義を標榜しても、戦争で失われる命について、本気で考えていないのであれば、民主主義の正統性は失われる。

 ウクライナからの穀物積み出しでは、エルドアンの活躍が光った。なんとか、これらの動きが情勢を大きく動かすようになってほしい。