月刊ライフビジョン | off Duty

起きて家事して寝るだけなんて…

曽野緋暮子

 恒例4月の、最初の花見は調整の結果3月31日に決定。「花見どころか蕾もムリじゃない? 」と言われていたが、今年の異常気象であれよあれよと言う間に桜が満開。この日を逃すと葉桜になりそうな勢いだった。午前6時半にブルーシート、重し替わりの水を入れたペットボトル10本を持って場所取りに行った。参加者23名と盛況で、ブルーシート1枚では足りなかった。来年はもう1枚用意しなくっちゃ!

 花見第二弾は4月4日。こちらは雨天にも対応できるように地元のお城の湯殿を借りて庶民を見下ろしながら(?)の観桜会。例年だと満開まだ手前のはずが、ことしは葉桜寸前。でもお幸先の良いスタートを切った年間遊び計画!

 しかしこの一週間後から悶々の日々が始まった。年間計画の次の行事「天ぷら登山」の案内を出し、準備をしていたが突然、咳が出始めた。それも半端ではなく昼夜を問わない。数日は自宅にある咳止めで対処していたが治らないので、耳鼻咽喉科を受診した。「咽頭をやられていますね。投薬で様子を見て1週間後処置しましょう。安静にしていてください。」と言うことで、抗生剤を含む4種類の薬を受け取り帰宅した。

 とにかく咳が止まらない。安静にと言われても我が家は高齢者3人家族で、家事をする人間が私以外いない! ルーチンの洗濯、掃除、食事をこなし、家の周囲の草取り、買い物も必須だ。咳をすることはかなり体力を使うらしく、夜はぐったりして早めに床に就くものの、咳のため何度も起きてしまう。とはいえ「天ぷら登山」までには治したいと、段取りは着々と進めていた。

 数日後、夜間に高熱が出た。日頃病気と縁遠いので解熱剤など常備がなく、氷枕と濡れタオルで凌いだ。朝になり熱は下がったので、解熱の薬を貰おうと医者に行った。診察では熱に対する訴えは却下され、喉に麻酔して咽頭の治療。「薬が効いたので大したことにならなくて良かった。」と満足そうな医師。内容を替えたと言う別の抗生物質を含めて4種類の薬が出た。

 医師の見立ての通り、その後の熱は治まった。毎日のルーチンに一日3回の服薬が加わった、変化のない日々が続く。マスクをして咳をすれば周囲は不快に思うだろうと、外出は極力控えるようになった。日々のルーチンに庭の雑草取りもふえたが、スズラン、ゴールドコイン、ハーブ等々、元気よく花を咲かせているのを見て笑みがこぼれる。コンコン咳をしながらのガーデニング。田舎で家と家の間が広いから許されることかな~。

「天ぷら登山」の前日、残念ながらも不参加を連絡する。咳コンコンの人と一緒では楽しくないよね。体調が悪いってこういうことなんだ、としみじみ思う。朝起きて、規則正しく最低限のルーチンをこなして夜に寝る。それだけの生活が心に良い訳がない。何か自分が腐って行くような感じがしてきた。医者に罹ってから2週間が過ぎたことだし、思い切って荒療治をしよう! と先輩宅で昼呑みをきめた。

 一回り年上の歩き仲間と5キロ程歩いて先輩宅へ。到着と同時に奥様の手料理で乾杯! お喋りしながらビールやワインを頂く。約2週間ぶりのビールは美味しかった。ビールが美味しいのは回復が近い証拠だろうなんて自分に都合よく解釈する。久々にお喋りしながら歩いたことも、とても気持ち良かった。

 翌朝、何となく咳も治まって来た。荒療治と言うよりストレス解消が有効だったかな~? 天気も良いし、5月の遊び計画を進めなきゃ!