論 考

ミサゴは海中へ落ちるものか

筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)

 ospreyは、日本語でミサゴ。海浜に住んで海上を飛び回り、急降下して魚を捕らえる。

 そのまま海中に突っ込むオスプレイは人間が作った飛行機だ。世界中で事故が多く、さきほど米軍は全機使用を中止して調査点検したのだが、格別新しい発見がない。にもかかわらず、使用再開した。

 わが有能な政府は、ことの詳細を米軍(米国)に尋ねない。よほど硬い信頼感に基づくのだろうが、なにもわからないのに、はい、わかりましたというのは筋が通らない。

 これでは乗員は、ロシアンルーレットならぬオスプレイルーレットを覚悟して乗り組まねばならず、もちろん、当たれば命の保証はない。民主主義、人命尊重のはずの米国にあっても、兵員は別枠というのでは、ロシアと同じだ。

 政府が米国に尋ねないのが、仮に尋ねても教えてもらえないからだとすれば、日米安全保障条約は、対等の国同士が結んだ条約ではない。これでは、日米安全保障条約は、米国の言うままに日本が従うという、まことに不埒な二国間関係になる。

 日米地位協定を改定せよという意見は以前から強い。最近ではマンネリ化したのかあまり聞こえないが、これでは、日本は独立国家といえない。

 自民党は非常に国家思いの誇り高き人々が主導権を握っているやに聞くが、これでは話が違い過ぎる。

 裏金事件に顕著なように、政治商売人と化して、自分たちが儲かって、議員様であり続ければよろしいという根性なら、政治的買弁であり、ウルトラ保守の皆さんがもっとも毛嫌いするタイプのはずである。

 こんな調子では、自民党は、裏金事件の当事者を処分できるわけがない。どっちもどっちだ。そして、誰もいなくなったという話か。