くらす発見

意外な遭遇、年末年始

筆者 曽野緋暮子(その・ひぐらし)

 年末年始のことを、いまさら言うのも面映ゆいが、昨年12月から今年の正月まではメチャクチャハードなスケジュールで日々をこなした。そのツケが回ったのか、年明け5日から数年振りの「止まらない咳」に悩まされた。熱はなく、痛みもないが、とにかく咳が止まらない。食事中、何かの拍子に咳が出始めると食べていた物を吐き出そうにも吐き出せない状況で咳が続き、息が止まりそうになる。就寝中に突然咳が出始めても苦しくて息が止まりそうだ。

 食欲がない訳ではなく、家事もフツーにこなせる。コロナ期間中に免疫力が落ちたのが要因のひとつか。高齢化が要因か。かかりつけの耳鼻科で薬を処方してもらい約2週間でなんとか落ち着いた。そんなこんなで出かける時には買い物でさえ車。すっかり落ちた体力。年明けから情けないことだ! このままでは日向ぼっことテレビで終日過ごす所謂年寄りになってしまいそう。

 そこで、年末年始に経験した交々をおさらいして2024年をスタートしたい。

 この年末年始から新幹線「のぞみ」が全車両指定席となった。帰省する娘親子が年始に帰宅する際の指定席を取ってほしいと言われた。JRの指定席は乗車日の1ヶ月前から発行だ。1月2日の指定席を確実に確保するには12月2日に取らなきゃ。私の住む駅には「みどりの窓口」がなくなり「みどりの券売機」が設置されている。この「みどりの券売機」は通常でも待ち時間が読めない。年末年始の指定席確保となると一層時間が読めないだろうし、思い通りの指定席が取れないかも。ネットと言う方法もあるが、調べてみるとアクセスが集中するとネットが繋がらなくなる可能性が大きいとも。確実なのは「みどりの窓口」での直接購入だとわかった。

 12月2日、発売開始の午前10時に間に合うように在来線で3駅先の「みどりの窓口」がある駅に出かけた。9時半に着くと、一般客と指定席確保組と列が分かれていた。4人目だったのでちょっと安心。とは言え、全国一斉発券なので心配しつつ待つ。その後どんどん人が増えて10時前には行列が3列程になった。午前10時きっかりに発券処理が始まった。あっという間に予定通りの指定席が取れて大仕事を終えた気分だ。ただ一つ誤算があった。未就学児でも指定席を取るには子ども乗車運賃が必要だと言うことを知らなかったことだ。予算オーバーだったがカード払いでクリアできた。

 娘親子が帰省して数年振りに回転寿司に行った。入り口で端末に人数を入力。席が表示されるので勝手に席につく。子ども達は手慣れたものでタブレットを使って次々に注文する。注文した品がレーンで運ばれてくる。以前のようにお寿司が回っていない! お皿を次々重ねるのは以前と同じだが、お店の人がお皿を数えることもなくタブレットで会計をするボタンを押してそのまま出口に行く。出口のセルフレジでスマホをピッ! で会計も終わり。これでは回転寿司って言わないよなあ。

 娘親子と納骨堂参り後、ファミレスでランチ。こちらも数年振りだ。外観は変わっていないが、お店の人がなぜかシニアでちょっと違和感を覚えた。ここでもタブレットで注文。何と! ロボットが運んで来た。テレビで観たことはあったが、こんな田舎でもロボットが活躍しているとは! それも2人、いや、2体か。注文品を客が取り、ボタンを押すと帰って行く。通路でオジサンがぶつかりそうになって「すいません!」とロボットに謝るのが、ちょっと笑えた。タブレットでQRコードを読み込んでスマホ決済ができると書いてあったが、ここではレジで会計をした。

 たまに出かけると日常生活の変化が著しいと思うのは自分が錆びついてきているのかなとも思うが、振り回されるのではなく、理解しながら対応していきたいものだ。