岸田氏の所信表明演説は長かった。大論文ではあるが、訴える力がない。本日の読売新聞社説「所信表明演説 経済対策の軸足が見えない」が、共感を呼ばない理由を突いている。
第一は、お得意の新しい資本主義に触れず、供給の強化だけではないか――問題は消費力の向上であるが、その対策が弱いという批判であろう。
第二は、中身の実効性が問われる――つまり、例によって課題の列挙で、なおかつ、信頼感が低いということを少し遠回しに表現したのであろう。
第三は、減税が云々されるが、2022年度税収が見込みを6兆円上回ったといっても、国債残高が1,000兆円もある――減税ばらまきをやっている場合か、という明確な批判である。
とくに、円安が大きな課題である。新しい資本主義の中身はどうしたんだという指摘(批判)だ。
所信表明にたいして、読売新聞は他紙とは異なって与党的支持の主張が多いが、今回は、それにしては手厳しい。
つまり、岸田氏の言葉が信頼されていないことの証明である。自民党内にもかなりの批判があると聞く。
四面楚歌で、厚顔の岸田氏にはボディブローというべきか。ご本人は、同情するなら票をくれという心境だろうか。
ここで、野党の代表質問が問われる。従来は、所信表明に批判があっても、野党質問に締まりがなくて、どっちもどっち論で延命しているのである。