論 考

バイデン戦略の愚

 バイデン氏の単細胞思考というべきか、ハマスとプーチンを一緒くたにして罵る。ウクライナ支援の声が落ちているので、イスラエルとセットで支援予算1160億ドル(イスラエル143億ドル・ウクライナ614億ドル)確保する狙いがあるにしても、これでは反米の声が高まるだけだろう。

 ハマスがパレスチナの人々を代表していないと見るなら、真っ先に手当するべきは、一般の人々の安全である。

 ところがイスラエルの支援が前提だから、実際はハマス=パレスチナとなっている。さらにイランを批判するから、アラブ諸国を反米・反イスラエルに押し込むようなものだ。

 アメリカ的思考は、単純に善か悪かを決め付ける癖が伝統的だ。ベトナム戦争のときも、共産主義=悪=ベトナム民族解放戦線と置いた。圧倒的多数の人々は圧政から逃れたいのに、それをも絨毯爆撃した。結果は、アメリカの大敗北! 

 いまだにその悪癖から抜けられないのだから、世界秩序の守護神を気取ってもダメだ。

 グテーレス氏がラファの検問所で演説した気持ちこそが、世論の多数である。