論 考

ダメな朝日の見本記事

 本日の朝日社説蘭の、駒木記者の署名入り論文「知らぬは国民ばかりなり」には、書いた本人もだが、新聞社の見識を疑わざるを得ない。

 安倍回顧録によると、安倍氏が北方領土返還交渉をやって、2島返還がいいところまで行ったのに、ラブロフ外相とモルグロフ外務次官が潰したとある。が、そもそもプーチンが2島返還する意向などまったく表明していなかったし、独裁者プーチンに対して2人が異議を唱えて引っくり返すわけがない。

 安倍氏が、いかにも脈がありそうに大騒動しただけじゃないか。事実を知らないのは国民だけだという次第だ。

 おかしい。事実を知らせなかった新聞の責任はどうなのか。朝日は知らなかったのか。わたしは本欄でも、安倍思い込み、独り芝居の危惧を指摘してきた。

 当時、鈴木宗男がしばしば官邸へ入って1時間程度安倍氏と会談している。同氏は当時公民権停止中であった。鈴木辺りに乗せられているのじゃないかとも書いた。朝日はまったく疑わなかったのだろうか。

 安倍氏が結構な「夢」で人々の期待を誘導する政治家だったことも早くからわかっていた。そのお調子に合わせて、結果的ではあっても、国民に知らさなかった朝日新聞の責任はどうなんだ。

 駒木記者の書きぶりからは、社内の責任を考えているような雰囲気が感じられないが、知っていなかったのなら、取材センスがダメだ。知っていて知らさなかったのであればもっとダメだ。まったく!