論 考

高学歴化で人間力が落ちた!

 日銀短観を見るまでもなく、日本経済が手応えある調子になりにくい。資源・エネルギーの仕入れ価格が高騰した。

 OPECプラスがさらに年末までの減産を決定したので、またまた足を引っ張られる方向だ。減産の狙いは価格引き上げだ。非建設的行動だと文句が出るのは当たり前だ。

 この数年の世界は協力協調という言葉がかすんでしまった。まことにエゴむき出しである。

 協力協調への動きがないものかと情報を眺めるが、あるセクトの協力協調が唱えられる反面、他に対する敵対が深まるばかりだ。

 いまの世界のリーダーは、押しなべて人間力が落ちている。それぞれの立場の狭い損得に固執している。

 この事態から立ち直るには10年、20年のスパンで見るしかない。米国主導秩序の維持を語ればラクチンかもしれないが、実際はそれがこんにちの世界を生み出している。

 日本の国連大学で10年間学長を務めたマローン氏が、日本に大学が800もあるのは多すぎだ。就職、ビジネス用兵育成にのめり込むのではなく、芸術・社会、人生や幸福などを思索する人間を育てる大学であるべしと発言している。

 全面的に同感、仕事に巧みになることだけが支配すれば、それは人間の機械化でしかない。その典型があのプーチンじゃないか。