論 考

常識的正常化へ向かうか?

 トランプ氏起訴は大事件扱いだ。が、顧みれば平気で嘘や嘘もどきを語る人物が大統領になったことを思えば、はるかに、どうってことはない。

 本日の読売社説は「米国社会の混迷を懸念する」、同毎日社説は「懸念される分断の深刻化」である。正確にいえば、米国社会はとっくに大混迷に入っているし、分断の深刻化も右に同じだ。なにも考えていない社説みたい。

 裁判が始まるのは早くても1年先になりそうだから、司法が直ちに結論を出すわけでもない。この状態を抱えて、大統領選挙戦がどう展開するかという話になる。

 起訴されたら大統領選に出馬するべきでないという意見が共和党支持者にも44%あるらしい。また、目下トランプ支持者が静かなのも興味深い。

 このような傾向だとすれば、米国社会は混迷や分断への道ではなく、無意識ではあっても、正常化を求めているわけで、昨日も触れたように、なにやらマッカーシー事件の末路に似た感じである。

 社会の気風を推し量るのは難しい。だから面白いのだけれど——