論 考

21世紀のツァーリに対する革命を

 ロシア軍は、ウクライナ北東部ハリコフの各研究所施設に、ロケット弾を撃ち込んだ。プーチン氏は、「ウクライナが核兵器を持つことは放置できない」と語った。

 ウクライナ侵攻から、ずっと、引っかかっているのは、プーチン氏の語る言葉が、たとえば、米国のイラク戦争当時の行動をなぞっているように思える。

 イラクに核兵器やガス兵器など、大量破壊兵器があると断言して、米軍は全土で行動したが、結局そんなものは存在せず、イラクをガタガタに荒らしたのみ。

 プーチン氏は米国を意識して、おそらく、お前らがやってきたことと同じだ、とうそぶいているだろう。

 いままでの報道では、ロシア国内で、プーチン氏の戦争を支持する気風が出ていない。反戦デモで、すでに9,500人近くが拘束されたらしい。こんな調子でやっていると、もっと大きなデモが全国的に発生すれば、人々を拘束しても、放り込む場所がなくなる。

 報道統制に躍起になっている。能面の裏で、焦っているに違いない。

 ゼレンスキー氏が、港湾都市オデッサをロシア軍が砲撃すると分析している。

 オデッサは、1905年、苛酷な待遇に怒った戦艦ポチョムキンの水兵たちが艦内で反乱を起こし、オデッサ市民たちと熱く交流した歴史がある。ロシア革命の記念すべき1頁だ。

 ロシア軍兵士の士気は高くないという。新しい歴史が起こってほしい。

 プーチン氏は、自分以外の人の命を認めていないのだから。