論 考

Don’t be so greedy!

 わたしは、働く人の仕事に対する構え方を、labor(生活の糧)・work(個性の発揮)・action(仕事を通して社会連帯をめざす)と規定している。

 わたしが社会人になった1960年代は、なにがなんでも、1円でもたくさんほしいという生活の糧説が圧倒的だった。

 最近のインタビューでは、仕事を通して社会連帯をめざす意識が圧倒している。これ自体、人間と社会の前進を感ずる。

 一方、経営者の仕事についての構え方を、働く人の構え方に符合させて規定すると、profit(利潤第一)・management(よい経営をする)・action(経営を通じて社会連帯をめざす)と置く。

 こちらは、現実的には利潤第一が圧倒的に支配している。資本主義だから、経営者としては利潤第一にならざるを得ない面は理解するけれども、個人として自分の報酬第一となったのでは、絶対的に貧しかった時代の働く人の意識と変わらない。

 これでは企業の社会的公器論が成り立たない。社員の90倍の報酬を獲得しているのに、実際はその倍以上を懐にしていたとなれば、強欲だと批判されても仕方がない。

 金権の魔力というもののオゾマシサを痛感しますねえ。