論 考

さらに思想の荒廃を招く

筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)

 ガザの主要病院が機能停止、外電によれば、病院から外へ出るのは極めて危険で動きが取れないという。

 イスラエルは、病院から地下道につながり、ハマスの拠点だと非難している。しかし、病院や赤十字を攻撃対象にしないのは当たり前だ。

 すでに、国連職員も100人以上、ジャーナリストと関係者も数十人が殺害された。

 極右翼のネタニヤフは、28%の低支持率で、司法制度改革の失政や、ハマス襲撃を防げなかった責任をとって辞任せよという声も高まっている。ただし、ガザ作戦の支持率は65%である。

 ネタニヤフが首相で居続けるかぎり、ガザ作戦は変わらないのではないか。

 マクロン氏が、ガザ地区民間人攻撃に正当な理由はない。禍根を残すのみだと主張した。親パレスチナデモが多発するなどイスラエル(自衛権)支持の欧米にも変化があるが、猫のクビに鈴をつけるリーダーがいない。

 アラブ諸国の市民には欧米ブランドの不買運動も起こった。弾丸を買うためのカネに通ずるから、せめてもの対抗策だとする。

 このままズルズルとイスラエルのガザ作戦を続けさせるのであれば、欧米(西側)に対する国際的批判がさらに高まる。

 さらに、世界中の人々の意識がどのように変化するだろうか? 過去の体験からすれば、戦争から道徳的思想が高まる可能性は低い。