論 考

仲良しごっこの大きなツケ

筆者 奥井禮喜(おくい・れいき)  

 イスラエルは、「(イスラエルの)軍事作戦は自由世界の戦争だ」と吠える。なんとしても自由世界(西側)と一蓮托生で、ハマス壊滅(実際はパレスチナ崩壊)を進めるつもりらしい。

 グテーレス氏は、「イスラエルの軍事作戦になんらかの誤りがあったことは明らかだ」と語った。婉曲的であるが非難が込められている。

 米国のイスラム系の人々は、先回はバイデン氏を担いだが、このような事態ではとても投票できないと語る。当たり前だろう。

 G7外相会議は、いわゆる人道的休止(humanitarian pause)で合意したが、声明をまとめても実効性がなければナンセンスである。まして、イスラエルを名指ししていない。

 ハマスのテロを断固非難して、イスラエルの自衛権重視を打ち出したのは、均衡が取れていない。これでは時間的にはだいぶ後退した。イスラエルがますます暴走するのを危惧する。

 自由世界を標榜してもパレスチナの人権を無視したのでは、自由世界は名ばかり、ますます離反する国が増える。国と国に線引きすることばかり熱を挙げているうちに世界は谷底へ転がっていくみたいだ。

 世界には、まともなリーダーがいない感。