論 考

手抜き内閣

 岸田内閣の特徴は、意思決定に際して大事なところで煮詰め不十分、論理の飛躍・漏れがある。これが説明不十分の中身だ。

 5月8日からコロナをインフルエンザ並みの5類にする決定にしても、パンデミックの心配がなくなったのかどうかの科学的根拠がない。

 一方、対策本部の廃止も早々に打ち出す。なるほど、行政としては「なにもやらない」というメッセージは明確だ。ただし、なぜ全面的に手を抜いても大丈夫なのかわからない。

 岸田氏が1人で政策決定するわけがないので、これはチーム岸田、それを支える官僚の知的作業が粗雑なのだろう。

 岸田氏の息子の秘書官がパリで買い物・観光を公用車でやったというのは、舌先三寸でごまかせるかもしれないが、パンデミックを山勘で対処するのは非科学的で、邪道である。まさか、手抜きが最大の目的ではあるまいな。