バイデン氏は、支持率43%で不支持率52%であるが、惨敗が予想された中間選挙を乗り切り、人々の大不満である物価上昇率が鈍化した。外交面では、プーチンが始めた理不尽なウクライナ戦争についても、サポートが成功しているとみられている。
世間一般には重苦しい気分の年の瀬だが、奇妙にもバイデン氏にとっては達成感があった1年で、本人も周辺もご機嫌うるわしいようだ。
民主党内では、大統領選挙の対抗馬の動きもない。今年の初めにさかのぼるほど、バイデンは苦境だったから、巧みに政治の波に乗ったわけだ。なるほど、議会政治のベテランという評価は妥当だ。
対比するまでもなく、日本政治は、実際のところ、なにをやってきたのか。もちろん防衛費2%論は、表面上は加速している。しかし、国の安全というわりには、単純な武器依存説で、中身がまったくない。
岸田氏の答弁は官僚答弁、形式はあるが中味なしの見本で、もちろん評判がよいわけがない。
しかし、いかに悪評紛々だろうとも、壊れない! ところに、やはりそれなりの実力が隠されているらしい。
へぼ閣僚の辞任・更迭が続くなかで、国のあり方、人々の運命を左右するような問題については、政府・与党の好き放題に事態が動く。ダメだ、ダメだの合唱をしり目に、どんどん危険な方向へ舵を切っている。
というわけで、岸田氏は内心、バイデン氏並みの達成感を味わっておられるのであろうか。なんとかに付ける薬はない。