論 考

バカは止めよう

 戦争の大義という言葉がある。大義に基づいて人々は戦争する(させられる)。

 ウクライナ戦争は、戦争ではない。プーチンが特別軍事作戦と称しているから、ロシア国内では戦争ではない。ウクライナに対する宣戦布告もしていない。かつての日本流ならば、事変というやつだ。

 別に「戦争」にしてもらえばありがたいわけではないが、大義もなく、破壊と殺戮がおこなわれている。

 さいきん、朝鮮戦争型の停戦・戦争凍結論も出ている。ロシアもウクライナも完全な勝利は不可能だ。和平交渉はできないとしても、相互に大きな犠牲が出ているので、停戦しようという理屈である。

 つまり、休戦(停戦)する。戦争の現状をある時点で、そのまま停止するわけで、停戦による現状凍結論である。プーチン流では戦争ではないが、戦争そのものには触らず軍事力行使を止める。

 まあ、これもウクライナとしては、ロシアが信用できないから、おいそれというわけにはいくまいが、1つの解決策ではある。

 とにかく、武力衝突は止めねばならない。そのためには、アメリカ・NATO・EUがまず腹を括らねばならない。それができないのであれば、いかに民主主義の大義をかざしたところで、民主主義の精神には外れている。

 いかに相手が仕掛けたことだと抗弁しようとも、やっていることは同じだ。これが戦争というバカな事態なのである。

 一刻も早く、バカにおさらばするのが人間の英知というものだ。