論 考

信用失墜の岸田商店

 改造内閣発足したばかりだが、統一教会問題がべったりこびりついて離れない。閣僚7人と、副大臣・政務官19人が統一教会との接点をもつ。

 統一教会が広く政治家に働きかける戦略だということはわかった。贈収賄の確証が得られない状態では、「詳しく知らなかった、今後は付き合わない」というパターンでうやむやにするのが自民党の作戦である。

 ただし、統一教会のえげつなさは人々が知っているから、岸田内閣への不信感が払拭されず、うやむや作戦をとることによって、かなりのダメージを被り続けるだろう。

 もう1つはコロナである。感染全数把握を止めろという声が、現場から出ているから、この問題の処理は難しい。

 現実に検査が追い付かず、感染者は公表数字より相当多いだろう。入院できずに亡くなる人も出ている。重症者への対応を中心にするとしても、感染把握が半端になればなるほど、重症化リスクのある人の発見も困難になる。

 つまり、意図がどうあろうとも、手抜き対策になりかねない。

 岸田氏が、公約の徹底検証をサボり、最悪事態を想定して取り組んでこなかったのはまったく弁解できない。

 さらに国葬「問題」が、理論的にはまったく無理筋であるから、押し切ることは可能だが、岸田氏も安倍内閣と同様、超法規的な動きをする結果、不信感が定着する。その最悪の核心は、言葉が信用されないことにある。

 安倍内閣が長かったのは事実だが、無理無体な政治のツケが岸田内閣を呪縛しているともいうべし。