論 考

腐敗と堕落の秩序維持

 日本においては、官僚(国家公務員)の有能さ、仕事の手堅さは定評があった。官僚制度がしっかりした秩序で運営されていたことも同様である。

 しかし、秩序というものは、トップに立つ人の采配がおかしなことになると、不祥事が発生する。しかも、その秩序を崩さず、常に正当だという構えを取るから、黒を白と言いくるめるようなこともやる。

 森友事件がその典型であり、国土交通省の基幹統計書き換え問題も同様である。いずれも、「なぜ」そのようなことをしたのか、明快な説明がない。

  官僚が、自分たちの都合を優先して活動する。知的レベルが低くはない人たちだから、「おかしなことをやっている」という疑問が湧かないわけはなかろう。とすれば、確信犯である。これが、官僚自身の腐敗と堕落である。

 制度が維持されているから、今度は、「腐敗・堕落の秩序」が維持される。官僚の腐敗・堕落が当たり前な国は少なくないが、日本が、その仲間入りをしてどうするんだろうか。