論 考

有明やノーコントロール猛暑かな

 五輪の海外から来日者のコロナ陽性は、ただいま10人。五輪関係者の陽性は内外合わせて55人と報告された。

 IOCと組織委員会は、感染者の症状や、選手村入居者数などの情報公開を拒否している。たぶん、きっちり把握できていないのではないか。

 記者会見で、両者(どちらの誰が言ったのか不明だが)は、「状況はコントロールされている」と発言したという。不吉な! 表現だ。かの「アンダーコントロール」が思い浮かぶ。

 そもそもコントロールされている「状況」とは、何を指すのか。新聞記事ではわからない。ルール通りに関係者が行動するはずだからコントロールされていると語ったのだろうと推測するが、まったく論理的ではない。

 関係者の行動をすべてコントロール可能なわけがない。ランチにカレーライスを食べようと思ったが、なぜかザルそばにしたという体験は誰にでもある。本人自身が考えてもいなかった行動をすることは少なくない。

 このような論理上無理筋の発言が出ること自体が、ノーコントロールである。そして、問題が発生すれば「不測の事態」と逃げるわけだ。

 ポイント――状況は、絶対にコントロールされない。