論 考

なまくら問答 議会の低質

 先の緊急事態宣言の解除が早すぎたのではないか、という古賀議員(立憲)の質問に対して、菅氏は、「2月下旬の段階では、感染者数も大きく減少し、病床の状況も改善しており、解除の基準を十分に満たしていた。知事から要請があり、専門家の意見を聞いて宣言を解除した」と答弁した。

 質問者は、当時そのように考えて解除したが、いまから見ると早すぎたのではないのかと疑問を呈したのだから、菅氏が当時の事情を再度なぞった答弁は答弁とは言えない。

 考えるべきことは、① 感染者数が一時的に減っただけでは問題解決にならなかった。② 解除基準を満たしていたのだが、解除基準なるものが妥当であるのか。③ 専門家の意見は解除賛成で一本化していなかった。

 単純に考えれば、たとえば一定期間に対人間距離が守られたとすれば、その間に発病者が出尽くす。問題は陽性でも発病しない人がいるが、それがどの程度なのか。これらについての知見はどうなっているのか。

 質問に対して答弁すればすべて終わりという構えでは、コロナだけにかぎらないが、問題を解明するための質疑にならない。なまくら問答は、政治家プロとしてのサボタージュである。